サラリーマンができる節税対策−1−

お金事情

以前「サラリーマンのお金事情」で事実情報や個人的に重要だと思う要素について記事にしたが、今回はサラリーマンができる節税対策についてご紹介したい。サラリーマンは給与関連の業務を全て経理担当に依存している場合が多く、全く知識がない人も多いだろう。私もとても詳しいというわけではないが、毎年の年末調整や副業収入や不動産投資に関わる確定申告を行う歳に興味を持ち、学んだ経験がある。その際に感じたことは「税関連は知らないと本当に損をするぞ!」ということである。変化の激しい時代、サラリーマンも自分の資産を自分で守る意識がとても大切だと思うので、今回はサラリーマンができる節税対策をまとめようと思う。

各種所得控除の活用

2025年2月現在、所得控除は人的控除と物的控除に分けることができるが、合計で15種類ある。下記に一覧にしてしておくが、人により活用できる控除は異なるので注意しよう。控除の対象となった金額は自分の収入から差し引くことができ、その分課税対象となる所得が少なくすることで支払う税金が少なくなるため、該当する控除があれば積極的に活用しよう。

基礎控除全ての人に適用される
控除額は最大48万円
配偶者控除生計を同じくする所得が48万円以下(給与のみの場合は103万円以下)の配偶者がいる
納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下
配偶者特別控除所得が48万円超133万円以下の配偶者がいる
納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下
扶養控除生計を同じくする16歳以上の親族(子どもや両親など)
障害者控除納税者本人、生計を同じくする配偶者、親族が障害者である
寡婦控除配偶者と死別・離婚し、再婚していない
合計所得金額が500万円以下
ひとり親控除納税者本人がひとり親である
控除額は最大35万円
勤労学生控除勤労学生である
合計所得金額が75万円以下
社会保険料控除納税者本人や同一生計の親族の社会保険料を支払っている
支払った掛け金の合計金額
生命保険料控除生命保険、介護医療保険、個人年金保険の保険料を支払っている
控除額は最大12万円
地震保険料控除地震保険料を支払っている
控除額は最大5万円
小規模企業共済等掛金控除確定居室年金や小規模企業共済の掛け金を支払っている
支払った掛け金の合計金額
医療費控除一年間に支払った医療費が一定額を超えている(生計を同じくする配偶者やその他の親族も含まれる)
雑損控除災害や盗難などで損失が生じている
寄附金控除ふるさと納税や特定のNPO法人に対する寄付など、特定の寄付をしている

上記のうち、多くの所得税控除は年末調整が適応できるが、「雑損控除」「医療費控除」「寄附金控除」は年末調整の対象外であり、個人で確定申告を行う必要があるので注意しよう。

iDeCo(イデコ)/新NISA(ニーサ)/ふるさと納税を活用する

よく話に上がる節税対策の3つであるが、個人的にサラリーマンにおすすめ順としては「新ニーサ(特につみたて投資枠)」≧「ふるさと納税」>「iDeCo(イデコ)」である。判断基準としては、手軽さとリターンの大きさ、運用の自由度で判断したが、ご自身の状況を含めて自分に一番合った内容を考えてみてほしい。おすすめ順に紹介する。

新NISA(ニーサ)

NISAとは「少額投資非課税制度」であり、その名の通り株式や投資信託の運用により得た利益(売却益・配当/分配金)に対して税金がかからない制度である。通常得た利益に対して約20%の税金がかかるが、NISA口座を作って運用すればその20%の税金が非課税になるため、積極的に活用したい仕組みである。2024年から始まった新NISA制度では「つみたて投資枠(年間投資枠120万円)」と「成長投資枠(年間投資枠240万円)」があり、この二つの枠の非課税保有限度額は1,800万円(つまり、上記枠を使い切れば5年で満額になる)と自由度が高くなってるので、自分の収入や余剰資金と相談して上手に活用してみてほしい。さらに利用する証券口座等にもよるが、投資の際にクレジットカードを利用することもでき、ポイントを得ることもできる点も良い。今後、人生においてますます投資の役割は大きくなっていくことが想定されているので、投資に興味がある人や少しずつ資産形成を始めたいという方はNISA口座の開設から実施してみてほしい。NISA口座を作る際のおすすめ証券は「SBI証券」もしくは「楽天証券」の二つだ。他口座も含めてまたどこかで詳細な記事にしたいと思う。私は会社の給与振り込みが三井住友銀行のため、連携しやすいSBI証券でNISA口座を開設している。

ふるさと納税

よく勘違いされるのが「ふるさと納税は節税になる」というものだが、実態は少し異なる。ふるさと納税では原則として自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象となるという仕組みのため、2,000円はマイナスになる。しかし、2,000円の負担で「好きな自治体に寄付ができる」ことと「寄付した自治体から返礼品がもらえる」ことを考慮すればとてもお得な制度であることに変わりはない。返礼品の中には食べ物や飲み物だけでなく日用品なども数多く揃っているため、その点においても生活コストを下げることに役立つだろう。注意点としては、自分のその年の年収によって控除される寄付金額が異なる点や、確定申告を自分で行う必要があること(ふるさと納税以外で確定申告が必要でない人はワンストップ特例制度で対応可能)の二点である。私も毎年、地元の愛媛を応援する気持ちで活用したり、ちょっとした贅沢、日用品の返礼による生活コストの抑制などを目的に活用している。ふるさと納税で控除される金額を調べたいときは、「さとふる」や「楽天ふるさと納税」などのWebサイトにあるシミュレーション機能から簡単に確認ができるので興味のある方は見てみてほしい。

iDeCo(イデコ)

確定拠出年金法に基づく私的年金の制度。上記の「小規企業共済等掛金控除」の対象となり、支払った金額(掛金)を全額控除することができる。掛金の限度額については少々複雑になっており、自分がいくらまで掛けることができるかは確認が必要だ。今回は我々サラリーマンを前提としているので、会社員や公務員(第2号被保険者)を対象に下記表にまとめた。

会社に企業年金がない会社員月額2.3万円(年額27.6万円)
企業型DC(*1)に加入している会社員月額2.0万円(年額24.0万円)
DB(*2)と企業型DCに加入している会社員月額1.2万円(年額14.4万円)
DBのみ加入している会社員月額1.2万円(年額14.4万円)
公務員等月額2.0万円(年額24.0万円)
*1:企業型確定拠出年金のことを指す
*2:確定給付企業年金、厚生年金基金、石炭鉱業年金基金、私立学校教育共済を指す

私の場合は、勤務先の企業で企業型DCに加入しているため、月額2万円(年額24万円)が限度額となるるが、この24万円が全て控除されるというわけだ。資産運用を行いながら控除(節税)もできるのは素晴らしいが、iDeCoにおける注意点が二つ存在する。それは「基本60歳までは引き出せない」ことと「引き出す際には税金が掛かる」という点だ。iDeCoの目的は長期的な資産形成のため、60歳まで引き出せないことは理にかなっていると言えるが、運用の自由度が低くなってしまう。月々の掛金については年に1度変更することが可能であるが、最低でも月々5,000円は掛金に設定する必要があることと、原則解約もできないので、始める際は慎重に検討しよう。引き出す際の受け取り方は大きく3つに分類され、それにより所得の分類や課せられる税金が異なってくるので確認しておこう。

1:年金として受け取る年金の受け取りは開始時期は60歳〜75歳の間で自由に選択が可能。年金として受け取る場合、所得の分類は「雑所得」となり、公的年金等控除が受けられる。
2:一時金としてまとめて受け取る積み立てた資産を一時金として一括で受け取ることができる。こちらも受け取り開始時期は60歳〜75歳で選択可能。この場合は退職金と同様「退職所得」となり、退職所得控除が受けられる。
3:年金と一時金を組み合わせて受け取る積み立てた資産の一部を一時金として受け取り、残りを年金形式で受け取ることも可能。その割合は自由に設定することができる。それぞれ、上記と同様一時金分は「退職所得」、年金分は「雑所得」扱いになる。

新NISAやふるさと納税と比較すると、iDeCoは少々複雑に見えてしまう部分がある。私は新NISAとふるさと納税は行なっているが、iDeCoは60歳まで引き出しができない点を踏まえて行なっていない。しかし、お金が入れば全て使ってしまう人や、相場の動きに比例して資金運用中に一喜一憂してしまうかもしれない人は、強制力のあるiDeCoを使うメリットもあると思う。

少し長くなってしまったが、ここではサラリーマンができる節税対策として基本的な内容をまとめてみた。この記事では書いていないその他の方法として不動産投資やマイクロ法人の設立などもあるが、少しハードルが高くなるので別記事でまとめようと思う。記事の内容が是非みなさんの生活の一助になれば嬉しい。

本記事をご拝読いただきありがとうございました。

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