仕事の中で嬉しかったこと−4−

仕事

一年の中でも日本人にとって4月は思い入れ深い月だと思う。その中でも新しい門出を迎えた人たちにはとりわけ色濃い月であると言える。前回の記事「仕事の中で嬉しかったことー3ー」で入社式についてまとめたが、今回はその続編の記事になる。

4月も下旬に差し掛かり、皆が心待ちにしているGW目前の金曜日に開催された新人研修の打ち上げ会に参加させてもらった。当社ではこの一週間前に配属発表があり、新入社員はそれぞれ思うことがあっただろう。最近ではよく聞く「〇〇ガチャ」に代表されるように「配属ガチャ」を通じて人生のファーストキャリアが決まったのだ。近年、初期配属確約型の採用形式も増えてきているが、どちらが良いのかについては採用担当を6年以上している私も明確な解はもっていない。最終的には「人それぞれ」であったり、時代背景や結果から見て日和見的な見解になるような気がしている。収束させづらい話であるが、どちらにせよ、数多ある仕事(職種)の中でファーストキャリが決まったことに対して、採用担当としては祝福と期待の言葉を贈りたい気持ちでいっぱいだった。中には希望通りの配属にならなかった新入社員ももちろんいた。ただその社員たちも前を向こうと自分自身と向き合っていた姿に感銘を受けた。私の配属発表の時も希望通りの配属ではなかった同期は、うなだれたり、涙を流したり、配属理由を教育担当に問うていたシーンが見受けられたが、それはおそらくどの時代、どの組織でも変わらないのなんだと思う。今でも仲の良い同期Hのうなだれた後ろ姿は今でも鮮明に覚えている。私もSEとして入社したのに営業部門に配属になった身だったので、共感できる部分も多々ある。いろいろな思いが錯綜したであろう配属発表から一週間後の研修打ち上げに参加したので、少し心配していたところもあったのだが、新入社員の顔は今から始まる本格的な社会人を見据えた表情で、頼もしさを感じたぐらいだった。

打ち上げではちょうど私と一回りりほど下になる新入社員たちに囲んでもらい、いろいろな会話をさせてもらったが、どれだけこちらが元気をもらったかわからない。ちょうど採用活動も繁忙期かつGW前の燃え尽き感やプライベートの心労なども相まって心身ともに少し疲弊していたのだが、皆んなの顔を見ると自然と明るい気持ちが芽生え、お開きになる頃にはすっかり満たされた気持ちだった。若いエネルギーというのはこれほどまでに他者にも良い影響を及ぼしてくれるものか。頼もしさとともに多少の羨ましさも感じつつ、まだまだ何者にでもなれる新入社員に対してエールを送り続けたい気持ちでいっぱいだ。これから始まる各現場での仕事において、みんなの活躍が聞こえてくることを楽しみにしていたい。無茶はしても無理はしないように、まずは心身の健康第一で仕事に臨んでほしい。

最後に、新入社員へのエールじみた内容でこの記事を締めくくろうかと思う。有名な名言で「置かれた場所で咲きなさい」というものがある。個人的な解釈になってしまうが、この言葉の中で一番大切なのは置かれた場所で「咲くこと」ではなく「咲くことができるように自分なりの最善を尽くすこと」なのだと思う。どれだけ頑張っても自分と合わない仕事や環境では腐ってしまうのは想像に易い。そのときは無理をせず、声を上げて環境を変えるべきだ。ただ、その場で咲こうとする努力をせず、環境だけを変えるというのは機会損失になってしまう可能性がある。どれだけ良い環境でも種そのものが腐ってしまっては咲くことができないように、自分の中の種なる部分をいつも成長させることができるような状態にしておくことは大切だ。咲くための努力の末に咲くことができなかったとしても、その経験値がまた次のステージで還元されると思う。何事も一生懸命取り組めば、その点がつながって線になり、面になり、その先につながっていくだろう。

採用担当として、同じ会社の先輩として、みんなの門出を心から応援しています。

本記事をご拝読いただきありがとうございました。

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